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創業5周年のTABIPPOはどう稼ぎ、なにを目指すか

3月末に5回目の決算を終え、株式会社TABIPPOは6期目に突入しました。創業メンバーの小泉翔(@ShoKoizumi)です。サムネイルの写真はブラジルW杯を現地観戦した際に、FIFAのオフィシャルカメラマンに偶然撮って頂いた写真で、タイトルや中身とは一切関係ありません。

3年で7割の会社が潰れるといわれていますから、大好きな旅の仕事しかせず自己資金で運営してきたこと自体が奇跡のようなことだなァとも思う日もあれば、5年たったのにまだこんなもんか…と悔しさを噛みしめる夜もあります。

まあなんだかんだで愉快に5年間仕事してきたわけですが、「TABIPPOってどうやって稼いでるの?」と聞かれることも増えてきたため、今日は僕らが旅を広める活動をどう仕事にしているのかを赤裸々に書いていきたいと思います。

そもそも、株式会社TABIPPOとは?

「旅への一歩を踏み出してほしい」という想いから「TABIPPO」という名前にしました。2009-2010年に世界一周の旅をしていた僕含むバックパッカー学生5人が旅先で偶然出会い、帰国後に立ち上げました。

当時は学生インカレサークルと意識高い学生団体の中間のようなポジショニング。「田舎フリーランス養成講座」代表の池ちゃん(@ikechan0201)や、遠野でクラフトビール会社を立ち上げだ袴田大ちゃん(@hakamadad)もこの時の立ち上げメンバー。

そして、その中から代表の清水直哉(しみなお)とTABIPPO.NET編集長の前田塁(るいす)、そして僕の3人が、それぞれ勤めていた会社を退職し、2014年にTABIPPOを法人化しました。

現在は社員14名、契約社員&インターン15名程の組織です。社員はほぼ全員世界一周経験者で、全社メンバーの平均渡航国数も30ヵ国程。旅なら会社を休んでも良いルールもあり、去年はメンバーみんなでロシアW杯にも行きました。みんな今でも旅好きです。

毎朝9時からオフィスでキッチリ仕事しているやつもいれば、午後からのんびり働き始めるやつもいるし、オフィスに来なくてもいい、いわば今どきなフレキシブルな働き方です。平均年齢は26から27才くらい、男女比7:3、渋谷の道玄坂のてっぺんにオフィス構えて仕事してます。

14人の社員で5つの事業

さて、TABIPPO創業期は一人では難しかったであろう「旅を仕事にする」をみんなで束になって挑戦したようなイメージです。また、ブログとかデザインのスキルを身につけて「旅をしながら生きていきたい」わけではなく、「旅の魅力を伝えたい」「若者が旅する文化を創りたい」と思っていた点が僕らの特徴の一つです。

旅を仕事にしたい、旅を広める活動をしたい。その2つの軸を元に手探りで事業を立ち上げ、展開し、なんとか5年、生き延びて来ました。立ち上げ当初に思い描いていた「5年後のPL」には遠く及ばずでしたが、以下の5つの事業を展開しながら旅を広げる活動をしています。

✈︎ イベント事業
✈︎ メディア事業
✈︎ プロダクト事業
✈︎ マーケティング事業
✈︎ キャリア事業

社員14人で5つも事業をやっているので、かなり特殊な形態な気はしていますが、それぞれどうやってビジネスにしているかを淡々と説明していこうかと思います。今期売上は約2億円、粗利率60-70%くらいで、毎年ちょっとずつ成長しています。

①イベントで旅コミュニティ創りを

まずはイベント事業。リアルの場で、旅での体験や魅力、情報を伝えています。お客さんから頂くチケット費やスポンサー企業様からの協賛費でマネタイズしていく事業ですね。よくイベントで生計を立てていると勘違いされますが、イベントでの収益は会社全体の収益のうち10-20%ほど。儲かりません。

旅へ一歩踏み出すキッカケになるための場にすること、旅好きのコミュニティを拡大していくことがメインミッションです。一つずつどんなイベントなのかざっくりと説明させて頂きます。

高橋歩と創る野外フェス “旅祭”

 2011年に学生として団体を立ち上げた頃からよくイベントにゲスト出演して頂いていた高橋歩さんのチームから、2014年の法人化した年に「旅祭、一緒にやろうぜ」とお声がけ頂きました。

旅祭とは、高橋歩さんが2007年に始めた旅をテーマにした野外フェス。旅を愛するアーティストたちのライブ、著名人の旅のトークショー、ダンスパフォーマンス、海外フードに様々な国のお酒。海外を旅してるかのように友達を作り、好きなように1日を過ごす。そんなフェス。旅祭公式サイト:http://tabimatsuri.com/ 

憧れのアーティストや著名人の方々とお仕事させて頂いてるし、万人規模のイベント運営の充実さや達成感は何事にも変えがたい経験です。ステージの設営や音響照明、出演者のギャラや会場費などたくさんお金が出ていきますが、とにかく楽しい。昨年はPEACEDAYとコラボし、初めての2DAYsイベントを開催し、12,000名の方々に来て頂きました。

小規模イベントを年に200回! “旅大学”

旅祭から打って変わってスモールサイズ、30人くらいの旅イベントが旅大学です。旅を軸にいろんなゲストをお呼びして、自社オフィスを中心に30-50名のイベントを週末いつも開催しています。プロのカメラマンをお呼びして一眼レフ講座をしたり、僕らが講師となる世界一周のノウハウ授業、ライター講座やキャリア関連イベントをしたり、本当に多岐にわたります。

毎回ピザやタイ料理を頼んでの交流会がセットで、お客さんと旅について語り合うコミュニティとなっています。年間で6000名ほどの新規登録者がいて、講師・講義の幅も広がってきました。だいたい学生1500円、社会人2500円くらいのチケット単価で、旅行系の企業さんとタイアップしたりもしています。

旅好き学生が10,000人! “BackpackFESTA”

2011年、TABIPPOを立ち上げた時に始めた、学生向けの大規模な屋内での旅イベントです。2011-2013年は東京で、そののち開催都市を大阪、福岡と広げていき、今では札幌から沖縄まで全国9都市で開催しています。去年からタイ・バンコクでも日本人向けイベントを開催し、2回目の今年は400名もの日本人が参加してくれました。

間寛平さん、ナオト・インティライミさんなど、世界を旅する著名人のゲスト出演、優勝者に40万円相当の世界一周航空券を提供するプレゼンコンテストの決勝プレゼン、航空券やカメラが当たる超豪華な抽選会など、旅したくてウズウズするようなイベントで、これを約450名の学生スタッフと一緒に毎年冬のシーズンに企画・運営しています。今年で9回目で今まで総勢40,000名近くのお客さんに来て頂いているイベントです。「このイベントがきっかけで世界一周の旅に出ました!」なんて言ってくれる人も結構いる気がしています。

②旅を広めるメディア事業

主にメディア事業はオンラインで旅の魅力を伝える事業なんですが、いろんなことをやっています。元々学生の頃、僕らメンバーの旅の体験や情報をAmebaブログで書き始めたのがきっかけですが、より多くの人に旅の魅力を伝えるために徐々に徐々に拡大をしてきました。

TABIPPO.NETに限らず、FacebookやTwitter、InstagramなどのSNSや、LINE@やメルマガなど、オンラインに乗せて情報を届けられるチャンネル全般を、このメディア事業のチームが担当しています。

月間250万人に見られるTABIPPO.NET

まずメインはTABIPPO.NETという月間約250万UU/600万PVほどの旅行メディア。約100名のトラベルライターさんたちに旅に関する旬な情報や体験を執筆頂いたり、社内のライターが航空会社のセール情報をいち早くリリースしたり。

国内外の観光地情報を調べる際に記事を見たことがある、という方もいらっしゃると思いますが、SEO対策された記事を中心に徐々に多くの方に見られるようになってきました。

SNSでの情報発信やPR

Twitter、Instagram、Facebookページ、LINE@など各種SNSで、閲覧者やユーザーとのコミュニケーションを図っています。全然自慢できるフォロワー数でもないですが、ここでイベントの告知やリリース情報の拡散を行なっています。

●TABIPPOの運営するSNSチャンネル
https://twitter.com/tabippo
https://www.instagram.com/tabippo/
https://www.facebook.com/around.the.world.tabippo/
http://line.me/ti/p/%40tabippo

メディアの事業部は、旅の情報を届けるだけでなく、TABIPPOの主催するイベントの告知やPAS-POL商品のプロモーションも行っています。「どうやってイベントの集客してるの?」、「書籍どうやって売ってるの?」と聞かれることが非常に多いですが、各事業部とメディア編集部が密に連携して各事業の告知を行っている点がTABIPPOの事業の肝になっています。

③旅のモノづくりブランド PAS-POL


こちらシンプルに出版や雑貨など、ものづくりをしている事業です。京都のいろは出版さんから法人化直前の2013年に「一緒に旅の本、出そうよ!」とお声がけ頂いて僕らの夢でもあった出版が実現しました。

初めての出版なのに2冊同時に出したのも功を奏し「僕らの人生を変えた世界一周」「ウユニ塩湖 世界一の奇跡と呼ばれた絶景」はいろんなメディアに取り上げて頂き本当に多くの方々に買って頂きました。微々たるものですが法人化1年目はこの印税収入にも非常に助けられました。

それから様々な商品をいろは出版さん、ライツ社さんと共に作ってきました。「あの本がキッカケで初めて旅に出たんです!」「世界一周に持って行ってました」なんて嬉しい声を聞くことも非常に増えました。お陰様でこれまで約30万点が書店さん、雑貨屋さんを通して売れているとのことです。売り上げは会社全体の1割以下ですが、やりがいはめっちゃあります。

④旅行関連企業のマーケティング支援

旅行に関連のある企業さんとの取り組みが、会社全体の売り上げの6-7割ほどを締めています。イベントやメディアでリーチできる「旅行に興味関心の高い若年層コミュニティに対して商品やサービス、観光地などをPRしたい企業様のマーケティングを支援する」的な仕事です。広告費を頂いて最適なプロモーションをご提案する感じです。

海外の政府観光局さん、エアラインさん、旅行系のサービスやメーカーさん、カードや保険会社さんなど、旅行に付随する商品・サービスをお持ちの企業さんで、若年層へのマーケティングを行いたい!というところはほぼ全てパートナーになりえます。

記事広告、キャンペーンの企画制作、イベントのスポンサーなどTABIPPOのメディアやイベントを活かしたマーケティング施策の提案もしますが、それが最適じゃないと思ったら押し売りはせずなんでも提案してます。映像も撮るしインフルエンサーもキャスティングするし広告も回すし、といったような観光業界のマーケティングエージェンシー的な立ち位置を取っています。

企業様とのお取り組み事例を挙げるとキリがないので、最近ハワイ州観光局さんと一緒に立ち上げた「旅して楽しむだけじゃなくて、グローバルな視点を学ぼうよ!」っていうコンセプトのPOOLOという200名限定の学習・参加型オフラインコミュニティと、タイ国政府観光庁さんと成田空港さんと一緒に企画運営をしてる「パスポート持ってない人早くとりなよ!今ならこの2社がパスポート代金出してくれるよ!」っていうパスポートキャンペーンについてだけ言及させて頂きます。

⑤旅人の就職・転職 紹介事業

2018年4月には旅人採用という、旅人向けのキャリア事業をスタートしました。これはTABIPPOの周りにいる旅行好きでアクティブな若者たちと、彼らを採用したいという企業さんをマッチングする人材紹介の事業です。株式会社ダイブさんという人材事業を行なっている企業さんとの共同事業です。

いわゆる人材紹介ビジネスで、新卒・既卒問わず旅人採用経由で1人採用が決まればその企業さんから採用フィーとしてお金を頂く、というモデルです。旅人たちはもちろん無料でカウンセリングが受けられ、それぞれに合った企業を紹介させて頂くカタチです。

「就職活動や転職に困らなくなったら、もっと旅行く人増えそうじゃない?」「旅の経験ってもっと社会人生活で生きるはずだよね?」というような僕らの仮説、想いから立ち上げたサービスです。今年1年で色々うまくいくこといかないことがわかってきたので、ここから一気に拡大フェーズです。

旅で世界を、もっと素敵に


すんごく長々と話してしまいましたが、簡単に言うと「旅のコミュニティを広げていくこと」「そのコミュニティのど真ん中にいること」で、旅の魅力をもっと伝えて旅する人を増やしたいな、ということを考えています。

ビザ無しでいける国 世界No,1でありながら日本のパスポート所持率はたったの24%です。日本人が若いうちから世界各国を旅するようになったら、きっともっと素敵な国になるんじゃないかなあ。そんなことをいまだに信じて日々仕事をしています。

そして僕らTABIPPOには、鶴の一声で旅する人を増やせるようなカリスマも、クリエイティブで世界を変えれるようなアーティストもいません。旅の魅力を伝えたい、旅に行ってほしいなあと思っているいろんな方々に協力してもらいながら、時には一緒にチームを組んだりなんかして、みんなで旅の新しい文化を作っていけたらいいなあと思って居ます。

最後になりましたが、いつもお世話になっている社内メンバーや学生スタッフのみんな、お仕事させて頂いている企業さん、ゲストや写真提供でご協力頂いている皆さん、5年間有難うございました。そして、これからもどうぞよろしくお願い致します。

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